積み木でライトアップのインスタレーションとワークショップ[2019]

日本産業技術教育学会 発明・工夫作品コンテスト 応募作品

プロジェクト型教育「地域貢献実践による学生の社会人基礎力育成」参加者 1年生 池浦成美
石原真依 木村紗矢香 林田光咲 火山奈緒子 福山采奈 矢野詩織 山口未夢 山下桃乃

積み木でライトアップのインスタレーション(福岡市民芸術祭)

目 的

私たちは、福岡市文化芸術振興財団(福岡市教育委員会)主催の福岡市民芸術祭に「積み木でライトアップのインスタレーション」を出展しました。インスタレーションは展示空間と関係性を持つように制作・鑑賞される立体作品です。後述する、小学生を受講者とするワークショップの実践をより良いものとするために、まず指導者を務める私たち自身が、ライトアップの良否を決定する光源・反射材・遮蔽材のバランスを充分に学ぶことが、このインスタレーション制作の目的でした。

制作方法

インスタレーションは、協力者である約50名の高校生・大学生を3グループに分けて制作しました。光源としてLED 150個(ヤザワ社製、プッシュライト3灯、昼白とLEDにカラーパラフィンを内蔵した赤・青・黄・緑の5色×30個)、反射材・遮蔽材として積み木2,000個(ブリオジャパン社製、白木、形状7種類、50個×40セット)を使用しました。より美しいライトアップを実現するために、光源・反射材・遮蔽材のバランスをどのようにコントロールするかが制作のポイントでした。なお国立青少年教育振興機構 子どもゆめ基金の助成を得てLEDと積み木、他に暗幕を購入しました。

作品の説明

インスタレーションは、福岡市都心部の建物の夜景をイメージできる作品になりました。また子どもから大人まで、誰でも自由に手を加えて制作を体験できる方法で展示しました。同じ作品は2度と制作できないため、鑑賞する度に形態の変化も楽しめるインスタレーションとなりました。

工夫したこと

元来積み木は、接触・振動・風圧・自重などで崩れやすい性質のものです。私たちは、前述のように、崩れた積み木を手にした鑑賞者が制作に参画できるようにしました。これにより鑑賞者が、光源・反射材・遮蔽材のバランスを自発的・体験的に学べる機会を作り出すことができました。

積み木でライトアップのワークショップ(長門おもちゃ美術館)

目 的

私たちは、山口県の長門おもちゃ美術館(NPO法人 人と木)から招聘され、小学生を受講者とした「積み木でライトアップのワークショップ」を実践しました。前述のように、ライトアップの良否は光源・反射材・遮蔽材のバランスで決まります。これを小学生に教えることはもちろんですが、小学生がライトアップを鑑賞して「きれいだね」と思うに留まらず、なぜきれいなのか、どうしたらきれいなライトアップが制作できるのかを自発的・体験的に考え、自分自身がライトアップを制作して「きれいでしょ」と他者に鑑賞させられるようになるきっかけづくりとすることが、このワークショップの目的でした。小学生が自分で考えたものを自身で作品にすることで、ものづくりやデザインの楽しさを知り、将来ライトアップでまちづくりに貢献する人財に育ってほしいと願い指導しました。

実践方法

まずライトアップの良否を決める光源・反射材・遮蔽材のバランスを、LEDと積み木を使いながら小学生に説明しました。そして1回目の作品制作を行い、ライトアップがきれいに見えるよう小学生に考えさせながら、自由に作らせました。受講者の小学生2名に指導者である私たち大学生1名が寄り添い、適宜アドバイスやサポートを行う体制とし、私たちは小学生とコミュニケーションしながら、どのように積み木を積めばライトアップがきれいに見えるか安定する積み木の積み方はどうすればよいかなどを教えました。1回目の作品制作の後、会場内を消灯し、自分の作品はどのように見えるか小学生に確認させました。次に確認の結果を踏まえて2回目の作品制作を開始しました。1回目とは別の作品を新しく作る小学生もいれば、1回目の作品をより良いものにしようとする小学生もいました。1回目よりも2回目はさらに自由に作らせて、小学生の感性を大切にしました。制作後に作品鑑賞会・撮影会を行った際、小学生は自分自身の作品を保護者に一生懸命説明していました。

作品の説明

建物をイメージした積み木によるきれいなライトアップが完成しました。小学生らしい自由な発想でLEDの使い方や積み木の積み方をした、私たちや保護者も驚く作品が多く見られました。

工夫したこと

ワークショップの会場設営では、机と机の間を小学生や保護者が歩き回ることができる一定の間隔を確保し、作品を制作しやすい空間を作りました。また小学生が自分自身で試行錯誤しながら作品を制作できるよう、LEDの光を当てる向きや積み木の角度を変えることなどのアドバイスをしながらも、私たちは小学生の作品制作にできるだけ手を貸さないようにしました。ワークショップの受講者が小学生であり、光源・反射物・遮蔽物という難しい言葉は聞き慣れていないと思ったため、それぞれ、自分で光るもの・光をはね返すもの・光を隠すものと言い換えて説明しました。説明では実際にLEDの光を積み木で反射・遮蔽させ、小学生に目で見せて理解させました。1時間という限られた実践時間の中で、消灯と鑑賞の時間を2度設けることで、1回目にどのような作品ができたかを確かめ、2回目で作品をより良いものへ改善するために工夫させることができました。LEDと積み木だけでできる表現の幅の広さも理解させることができ、ものづくりの楽しさを教えることができました。

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